私は、育児や介護と両立しながら働く、スキルの高い女性を短時間キャリアウーマンと呼んでいます。どのような女性なのか後述していきたいと思います。

 

育児や介護の時間にも比重をおきながら働く女性とは

現在、女性の多様な働き方が提案されています。これは、今まで育児や介護のために専業主婦をしていた方々を、少子高齢化の影響を受けた労働人口減少に対応するためにも働いてほしいという意図などがあるからだと考えます。

育児や介護に関わらずフルタイムで働くことを元々覚悟されている方などもいますので、そういった方々を除き、上記にあげたような、元々は専業主婦をしていたが、時代の流れの影響を少なからず受けて働き始めた方というのは、育児や介護にかける時間にも比重をおきたいと考えている方が多いのではないでしょうか。

余談ですが、私も、この子とできる限り一緒にいる想い出を作りたいと願って子どもを出産しましたし、子どもとのある程度の時間の長さも大切です。これは、短くても濃い時間を過ごせばいいといった考えとはまた別なのです。

 

現代の人は、毎日が時間の奪い合い

全ての人に平等に与えられた24時間という制限のある時間を、人生の中でどう振り分けて、何にどれだけ時間を費やしたらみんなが幸せなバランス生活を送れるのか追い求めて、葛藤しながらも育児や介護に手のかかる時期を過ごしている人もいるかもしれません。

便利になった現代では、移動中すらスマホの確認に時間を使います。毎日が24時間の奪い合いなのです。

このような現状の中、前述したように働いて自分自身を充実させたいと考えながらも、自分は1人しかいないですから、育児や介護の時間も大切にしたいと思っている多くの方は、結局、働く時間を短くすることを選択せざる得なくなります。

では、短時間でも働くことのメリットとは何でしょうか?

 

育児や介護に手のかかる時期に、短い時間でも働き続けることのメリット

次のようなメリットが考えられます。

1)数時間子育てや介護と離れることで、イライラせずに子どもや親に優しくなれる。
2)離れていた時間でより大切さを実感できる。
3)子どもが成長した時に、仕事や社会に対しての相談相手になれる。
4)子どもに働いている母親の姿を見せることで、社会性を自然に身につけ、自立しやすい子へと育つ
5)母親がいきいきと働いて笑顔でいると、子どもも働いている母親が好きになる。家族みんなも笑顔になる。
6)母親が自分自身も充実した日々を送り、社会との繋がりを持つことが自信につながる。社会復帰までのブランクという不安がなくなる。

等々、これらのように適度に働くことで、自分自身も、子どもにも、働くことが良い影響になることが長期的に見たメリットと言えます。

次は短時間労働を選択した場合に必要になる心構えについて考えてみたいと思います。

 

フルタイムと短時間労働の大きな違い

最初に、フルタイムの社員や契約社員など(8時間労働で週40時間)と、短時間労働者(5時間~7時間で、週2日~4日程度)に分けて比較してみます。

同じ内容の仕事を半年間経験された次の方がいる場合に、どちらの方に仕事を頼みたいと思いますでしょうか?

1)フルタイムの方は、約1040時間分働いたスキルを身につけています。(8時間×5日×26週間)
2)短時間労の方が1日5時間週4日働いた場合は、約520時間分働いたスキルがあります。(5時間×4日×26週間)

どちらが高パフォーマンスをしてくださるか考えると、やはり(1)の方に仕事を頼みたいと思うのが一般的だと思われます。さらに、専門性が高い業務内容であればあるほど、スキルの差は広がるでしょう。

しかも、この期間が長ければ長いほど差は大きくひらいていくのです。いかに、短時間労働で高いパフォーマンスを提供し続けることが難しいか分かります。

 

短時間労働を選択した場合に必要になる心構えとは?

前述の例で、短い時間で高パフォーマンスを提供することの難しさを感じたところですが、では、この不利な状況をどのように解消したらいいのでしょうか。

1)元々天性的に能力が高い
2)元々その業務内容について経験があり、スキルをもち備えている
3)通常の労働時間ではない時間に、例えば、育児や介護に差し支えない夜や休日の時間も仕事をする
4)専門性の高い業務や難しい業務を避けて、やりがいは減るが単純作業の仕事を選ぶ

あげられるのはこれくらいでしょうか。「自身がスキルを研くことを諦めて、人を動かす能力をつける」、「子づれ出勤OKな職場を探す」など、他にも出てくるかもしれませんが、一端、ぱっと考えられる1)~4)で見てみます。

1)については、自分ではどうにもならないところもありますので、育児や介護の時間をある程度確保しながら、短時間労働をされる方は、ご自分の状況に合わせて少なくとも2)~3)のいずれかの覚悟をする必要があるかもしれません。

あまりにも何も考えずに、時代の流れに流されて働き始めてしまうと、生活のどこかに負担やしわ寄せがきて、こんなはずじゃなかったともなりかねませんので、理想の生活スタイルを思い浮かべながら、現実的にはどのような選択をしていくと理想に近づくのか事前にしっかり検討してみることがさらなる幸せへと繋がるかもしれません。

ただし、実際には前に進みながらもその都度修正の繰り返しになることもあります。でも、最初の心構えをしっかりしておくと、長続き、近道に繋がる可能性も高まります。

 

誰よりも高いスキルをもっている短時間キャリアウーマン

最後に、これらのことから、先を見据えた時間のコントロールができ、短時間労働でも高いパフォーマンスで成果を出している方こそ、本当にスキルが高いということが分かります。私もそのようなあまり存じ上げませんが、数少ないそういった方々のお話を聞くと非常に興味をもちます。私は、このような方々を最もスキルの高い短時間キャリアウーマンと呼んでいます。

多様な働き方の推進が国からもされるようになってきて、今は、働き方に正解のない時代にあると言えると思われます。言葉や時代に踊らされることなく、働き方に対しての分析と事前の覚悟をして、生活の部分も充実した人生を送ってほしいです。

 

 

 

 

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